#06 実践論

デザインにいくらかけるか。原価と上代から考える

佐藤かつあき
この記事の3つのポイント
  • 地域の仕事はウェットで家庭的。それは悪いことではない
  • 原価・上代・販売数が分からないと、デザインにかけられる額が決まらない
  • 100万か、5万か。正直に伝えてもらえば、デザイナーも返しやすい

デザインとお金。これはなかなか、永遠の課題だと思う。

地域の仕事は、お金の話をそこまで割り切っては進まない。もう少しウェットで、よく言えば家庭的、悪く言えばなあなあな感じで進むことが多い。僕はそれが嫌いじゃないし、むしろそっちが好きだ。悪いことだとはまったく思っていない。

とはいえ、お金がないと仕事にならない。デザイナーも暮らしていけない。だから、ちゃんともらったほうがいい。ただ、デザインは形のないものだから、「これはいくら」と見せにくい。デザイナー自身も、なかなか値段を決められないんです。

たとえば、ある商品のパッケージを作るとする。原価はいくらで、上代(店頭での定価)はいくらで、どれくらい売りたいのか、売らなきゃいけないのか。それが分からないと、パッケージにどこまでお金をかけられるかが決まらない。パッケージの費用は、商品の値段に跳ね返ってくるからだ。印刷をどうするか、特殊な加工をするか。言い出すと工数が増えて、デザイン費も上がっていく。

だから、数字にできるところは数字にして、デザイナーに伝えてほしい。そうすれば、ちょうどいいデザイン費も出しやすくなる。要は、100万円かけていいのか、いけないのか。「これは5万円で作りたい」ということなら、5万円でやれることを考えればいい。ちゃんと積み上げて計算すれば、かけられるデザイン費は出せるはず。

正直に伝えてもらえると、デザイナーも「こうしたらどうですか」と返しやすい。その解像度がほしいと思っている。

数字がまだ見えない、もっと長い期間で一緒に考えてほしい、ということなら、毎月決まった額で伴走してもらう形もある。その話は、顧問契約の論考で書く。