#09 現場ノート

iDID九州交流会2026。デジタルとアナログのクリエイティブが集まる夜

佐藤かつあき
この記事の3つのポイント
  • 九州ADCアワードの審査がきっかけで、加藤琢磨さんから企画運営を頼まれた
  • 九州各地のデザイナー・印刷会社・ウェブ制作会社のトーク
  • 東耕平さんとYURIKOさんの公開制作。制作の周りにはいつも人がいた

2026年6月5日、福岡で「九州交流会'26 supported by iDID」というイベントがあった。iDIDは、デジタルクリエイティブの人たちが集まるコミュニティのようなものだ。その九州交流会の企画運営を、今回は僕がやらせてもらった。

きっかけは、九州ADCのアワードだ。九州ADCは九州アートディレクターズクラブのことで、僕は理事もしている。そのアワードの企画運営をしたとき、審査員のひとりを、シフトブレインの加藤琢磨さんにお願いした。加藤さんはデジタルが専門だけれど、クリエイティブという点では同じだと思ったので、パッケージや編集もの、グラフィックといった、形のあるものの審査もしてもらった。審査は加藤さんにとって初めてで、とても楽しかったと言ってもらえた。

それで今度は、加藤さんから声がかかった。iDIDの九州交流会を、企画運営してくれないかと。デジタルではない分野、グラフィックや印刷物のクリエイターも交えて、交流会をしたいということだった。九州交流会はこれまでにも何度か開かれている。今回に限って僕に話が来たのは、そういう経緯だ。

会場は、博多駅直結の、LINEヤフーコミュニケーションズさんの12階にあるカフェスペース。普段は一般には貸し出していない場所だけれど、iDIDのつながりのおかげで借りることができた。

トークには、九州で面白いことをしている人たちに来てもらった。長崎からは、デザイン事務所のデジマグラフさんと、パッケージ専門の印刷会社、岩嵜紙器の岩崎さん。大分からは、高山活版社の高山さんと、mazeruというショップのオーナーでもある井上龍貴さん。高山活版社の新しい取り組み「inprint」を紹介してもらった。熊本からは、黒川温泉のプロジェクトをやっているデザイナーの杉村武則さん。ウェブ制作会社のモンブラン代表の竹田京司さんと、フリーのコピーライターで編集者の福永あずささんが、言葉を使って本のように作るウェブサイトの、仕事の裏側を話してくれた。福岡からは、九州ADC代表の梶原道生さんに、九州のロゴデザインの話をしてもらった。stansの智原北斗さんと、5iveの下村晋一さんにも登壇してもらった。それぞれの仕事の裏側や、ものの見方を発表してもらう形で、僕は司会進行をした。

今回は新しい試みとして、公開制作のコーナーも作った。来てくれたのは、彫刻家の東耕平さんと、画家のYURIKOさん。二人とも、UNDER ROAD GALLERYで知り合った作家さんだ。交流会には、トークを真剣に聞く人もいれば、新しい出会いを求めておしゃべりしている人もいる。ふと時間が空いて、手持ちぶさたになる人もいると思った。そういう人が、制作の現場を自由に見られる場所があるといい。反応はとてもよくて、制作の周りにはいつも人がいた。

毎年盛り上がる会だと聞いていたので、去年より面白くない、と思われないようにしたかった。進行役とはいえ、僕もとても楽しい一夜だった。二次会も盛り上がっていました。

デジタルとかアナログとかの垣根は、越えていけばいいと思っている。同じ志を持った人たちで業界を盛り上げて、地域を盛り上げていく。結果的に、自分の仕事を楽しくやる。そんな感じでやっていけたらいい。