#08 現場ノート

ブルーシートを、復興の種に。ブルーシードバッグ

佐藤かつあき
この記事の3つのポイント
  • 被災した屋根のブルーシートを回収し、洗ってトートバッグに
  • ブルーシートをブルーシードに。復興の種と見立て、売上の一部を寄付
  • きっかけは、東日本のボランティアが作っていた大漁旗のミサンガ

2016年の熊本地震のとき、僕も被災地にいて、仕事をしていた。

この地震を象徴するものは何だろう、と考えた。浮かんだのは、ニュースで何度も流れた、家の屋根にかかったブルーシートだった。被災した屋根に、雨漏りを防ぐためにかけられたものだ。あの風景は、ニュースを見たたくさんの人の記憶に残っているんじゃないかと思った。

そのブルーシートは、役目を終えると大量に捨てられる。それを回収して、きれいに洗って、トートバッグにした。名前はブルーシードバッグ。ブルーシートを、ブルーシードに。シードは種のことだ。

あの風景は、もちろん悲しいものだ。でも僕らは、あの青いシートを、被災地にまかれた復興の種だと見立てた。バッグが売れたら、売上の一部を被災地に寄付する。そういう仕組みにした。クライアントはいない。僕らBRIDGE KUMAMOTOが、自分たちで始めたプロジェクトだ。

始めたきっかけは、ボランティアの人たちの話だった。熊本地震のとき、東日本大震災で被災した人たちが、あのときの恩返しだと言って、たくさんボランティアに来てくれていた。ボランティアビレッジという、ボランティアの人たちが集まる場所で、当時の話を聞かせてもらった。東日本のときは、津波で流された大漁旗をみんなで集めて、きれいに洗って、ミサンガを作っていたそうだ。それを聞いて、じゃあ僕らも何かやろう、と思った。

2017年、ブルーシードバッグはグッドデザイン賞のベスト100と、特別賞[復興デザイン]に選ばれた。2018年には、九州ADCアワードのベスト9にも選ばれた。

アップサイクルという言葉は、この活動をする中で知った。そのままなら廃棄物として捨てられるブルーシートも、きれいにして手を入れれば、ちゃんと価値を持つ。ただのゴミでも、見立てを変えれば価値が生まれる。デザインには、ネガティブなものをポジティブに変える力があると、僕は思っている。