#02 基礎論

地域の価値は、なぜ下がるのか

佐藤かつあき
この記事の3つのポイント
  • 人口減少や高齢化だけでは、価値が下がる理由を説明しきれない
  • 新しい人や外の人を拒む力は、悪気からではなく、伝統や決まりごとから生まれる
  • 気づいたときには手遅れに近い。だから、調子のいい時に手を入れる

前に、地域の価値は株価のようなものだと書いた。上がりもするし、下がりもする。今回は、下がるほうの話をしたい。

地域の価値が下がる理由として、よく挙がるのは人口減少と高齢化だ。もちろん影響はある。当然だと思う。でも、同じような条件の中でも、伸び続けている地域はある。何が違うんだろう。断定はできないけれど、僕は「新しいものを拒む力」が関係しているのじゃないかと思っている。

時間がたつと、地域にはどうしても伝統や思い込み、決まりごとのようなものが生まれてくる。それによって、新しい人、若い人、外から来た人が入りにくくなる。

難しいのは、その力が悪意から来ているわけではないことだ。伝統や決まりごとは、その地域の文化を守ってきたものでもある。全部を今すぐ変えることはできないし、変えるべきでもないと思う。どこまで守って、どこから変えるか。それは、そこに住む人たちが話し合って決めていくことだ。

外から来る人には、いい面もある。よく「風の人」なんて言うけれど、よそ者が地域にいい風を起こすことはあると思う。僕自身も、天草に移り住んで16年になる、よそ者だ。

もしかしたら、外からの考えや意見が入りにくくなったことに気づいたときには、もうほとんど手遅れかもしれない。だから僕は、調子のいい時に手を入れることが大事だと思っている。人が来ていて、うまくいっている時に、新しい人を迎え入れて、やり方を変えてみる。それができているところは、伸び続けているように思う。

もちろんリスクはある。失敗するかもしれないし、大切に守ってきた何かが傷つくかもしれない。それでも、それは必要なことだと僕は思う。地域の人と話し合って、折り合いをつけて、挑戦を続ける。失敗もする。リスクもある。でも、どっちかと言ったら、やるしかない。

調子のいい時ってどう判断するかって?美容関係の人は「あなたはいまが一番若いんですよ」と言いますよね?それと同じで「いま」がその時だと思います。