Apr 16 2015

映画「アメリカン・スナイパー」を見た

アメリカン・スナイパー

ずいぶん前だけど、映画館で「アメリカン・スナイパー」を見てきました。
物語序盤の主人公の少年時代。狩猟に出かけた親子。射撃の才能を垣間見せる子(主人公)に「ライフルを地面に置くな」と叱る父。その後、主人公は兵士になりライフルをとても丁寧に扱うようになる。そして物語の終盤。主人公のライフルはどうなるのか。このあたりの脚本はなんか良いですね。こういう演出、こういう道具の使い方はすごく好きです。「グラン・トリノ」の時は「アメ車」でしたが、今回は「ライフル」が「何か」の象徴になっているようです。

僕のくだらない感想はどうでもいいとして、驚いたのは興行収入です。クリント・イーストウッド最大のヒット作になっちゃいました。84歳にして。

2003 ミスティック・リバー $156,000,000
 
2004 ミリオンダラー・ベイビー $216,000,000
 
2006 父親たちの星条旗 $66,000,000
 
2006 硫黄島からの手紙 $68,000,000
 
2008 チェンジリング $113,000,000
 
2008 グラン・トリノ $269,000,000
 
2009 インビクタス $122,000,000
 
2010 ヒアアフター $105,000,000
 
2011 J・エドガー $66,000,000
 
2014 ジャージー・ボーイズ $67,000,000
 
2014 アメリカン・スナイパー $392,000,000
 

興収のデータはばったすいみんぐすくーる様から引用し、ウィキペディアの世界興収を見て修正しました。

これはなぜでしょう。予告が超良かったからか。単純に時代性というかニーズにマッチしたのか。テロリスト集団が世界中のニュースを騒がせているなか「どうしてこうなっちゃったのか」という問いについての、何かしらの解答があると思わせたのか(解答があったかどうかは別ですぞ)。
なにより、女性が動員されないとまず達成されない数字であります。戦争映画に女性が行くことはあまりないらしいので、この辺はキャスティングの妙もあったと思います。旧式の戦車乗りの男くさいブラピよりも、たくましくも困った目をしたセントバーナード犬のようなブラッドリー・クーパーのが今の女性の好みなのかも。

これだけの大ヒットを戦争映画で達成するのが難しいということは、

2008 ハート・ロッカー $49,000,000
 
2011 戦火の馬 $177,000,000
 
2012 ネイビー・シールズ $70,000,000
 
2012 ゼロ・ダーク・サーティ $108,000,000
 
2013 ローン・サバイバー $139,000,000
 
2014 フューリー $211,000,000
 
2014 アメリカン・スナイパー $392,000,000
 

直近の僕の好きな戦争映画と比べてみても「アメリカン・スナイパー」の突出具合がよくわかります。
ちなみに僕がこの中でトータルで好きなのは「ゼロ・ダーク・サーティ」。女性監督で女性が主役の戦争映画ってなかなか無いんじゃないでしょうか。
ネイビー・シールズの描き方では「ローン・サバイバー」のが好み。
ライフル対決では「ハート・ロッカー」の砂漠でのバレット対PSL*が好き。ライフルがジャムらない(弾づまり?)ように、たしか「弾倉にツバをかけろ!」というシーンがあるのですが、緊張と酷暑とすさまじい乾燥で「ツバが出ないよ〜(ノД`)シクシク」とかいう演出に「何かわからんけどリアリティあるなぁ」と感心しました。
*Yahoo!知恵袋参照

というわけで、リアリティと、子として兄として父として夫として兵士としての葛藤と、アメリカ映画では珍しい主人公が女子供を撃ち殺すのか?というシーンと、シールズ同士のホモソーシャルなキャッキャウフフと、緊張感のある射撃戦と「実話でんねん」ということと、衝撃のラストなどなど……直近のヒットした戦争映画の要素を巧みに取り込みながら、きっちりとまとめられたのが「アメリカン・スナイパー」という作品なのではないでしょうか。

Summary
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映画「アメリカン・スナイパー」を見てきたよ
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感想よりもどうしてこんだけヒットになったのか。クリント・イーストウッドの過去作と直近の戦争映画と比べてみた。
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